第 016 回
奈良の空は、今日も変わらず広い。
東大寺の大仏殿の軒先から、春日山の稜線が遠く霞む。石畳の参道に差し込む朝の光は、千年前も今日も、同じ角度で地面を照らしてきたはずだ。
1300年前、この地に国の礎を築いた人々は、どれほどの困難を前にしても「自分には無理だ」とは言わなかっただろう。巨大な大仏を鋳造し、都を設計し、仏法の教えを海を越えて伝えた——それらはすべて、誰かが「限界を自分で決めなかった」から成し遂げられた。
飛鳥から奈良へ、奈良から平安へ——時代を動かしてきたのは、いつもそういう人たちだった。
「限界」を決めるのは、年齢でもなく、性別でもなく、生まれた環境でもなく、その他の要素でもない。
「限界」を決めるのは、自分自身。
自分で「限界」を決めなければ、永遠に進化し続けることが出来る。
1300年の奈良がそれを静かに証明している。