第 022 回
奈良の街角には、ひっそりとお地蔵さんが佇んでいる。
路地の隅、畑のかたわら、石段の途中——気がつけばそこにいて、通り過ぎる人を静かに見守っている。
雨の日も、風の日も、表情は変わらない。穏やかな微笑みだけが、そこにある。
どれほどの時間を、どれほどの人々の喜びや悲しみを、そっと見届けてきたのだろう。
いつもそばに居てくれて、
いつも朗らかに笑ってくれる。
いやなことや、つらいことがあっても表情1つ変えずに微笑んでいる。
誰よりも経験・知見があり、
なのに誰よりも頭が低い。
そんなあなたのように、わたしはなりたい。
奈良のお地蔵さんは、何も語らない。ただ、その存在そのものが、教えてくれる。