No. 004

白毫寺。眼下に奈良市内を一望できる寺【見どころ・閻魔様・拝観料・新薬師寺からの歩き方】

📢 アフィリエイト広告について:本記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。リンク経由でご購入・ご予約いただいた場合、ブログ運営のために少額の手数料をいただくことがあります。ご理解のほどよろしくお願いします。 → プライバシーポリシー

苔むした石段の先に佇む、白毫寺の瓦屋根の山門

皆さん、3記事目でご紹介した新薬師寺はいかがでしたでしょうか?きっと、本堂の暗闇の中で『十二神将立像』を堪能されたことと存じます。

今回は、その新薬師寺から目と鼻の先にあるお寺をご紹介します。

今日の舞台は、「白毫寺(びゃくごうじ)」です。

あまり聞いたことがない名前だ、という方も多いのではないでしょうか?そんなあなたに是非知って頂き、新薬師寺と合わせて訪れて頂きたい、そんな想いでご紹介します。

🚶

新薬師寺から白毫寺へは、日本最古の道として知られる『山の辺の道』を歩きます。途中には「山の辺の道 白毫寺へ」と刻まれた石碑も立っています。このブログで言うところの『THE奈良』、日本の原風景のような雰囲気を、たっぷり楽しんで下さい。

新薬師寺から白毫寺まではゆっくり散策しながら歩いて約20分。その間に、およそ70メートル上ります。足元は舗装されていますが、坂道や階段があるため、歩きやすい靴でのご移動をおすすめします。

この上り坂を、ぜひご自分が一歩ずつ、人生の階段を上がっているような気持ちで上ってみて下さい。そして、人生と同じように、上り疲れたら少し立ち止まって、ご自分が上ってきた高さ、歩んできた道を振り返ってみて下さい。きっと、ご自分の確かな足跡を感じられると思います。

白毫寺は、ただの景色がいいお寺ではありません。道中も含めて、『THE奈良』という雰囲気を、五感をフル活動して味わって頂きたい——そんな想いで、今回もご案内します。

白毫寺について — 志貴皇子と叡尊ゆかりの、高台のお寺

白毫寺は、高円山(たかまどやま)の西のふもと、標高約200メートルの高台に建つお寺です。境内からは、奈良の街を見下ろすことができます。緑や花多きお寺で、新緑の季節には運が良ければ、鶯が私達を迎えてくれることもあります。

白毫寺の境内 — 緑豊かな高台のお寺
📍 緑豊かな白毫寺の境内。季節ごとに違った表情を見せてくれます。

この地には、天智天皇の皇子・志貴皇子(しきのみこ)の山荘があったと伝えられています。

鎌倉時代には、2記事目でご紹介した西大寺で真言律宗を興した叡尊(えいそん)が、このお寺を再興しました。叡尊の弟子が中国から経典(一切経)を持ち帰ったことから、「一切経寺」とも呼ばれたそうです。西大寺からつながるご縁を、感じざるを得ません。

その後、戦国時代に戦火に遭いますが、江戸時代の初め頃に復興されました。今の本堂は、そのときに建てられたものです。

このお寺の特徴としては、『景色』・『植物』の他に、『閻魔様』を拝むことが出来ます。その楽しみ方は、「境内の見どころ」で、私のおすすめの順番とともにご紹介します。

先程訪れた新薬師寺と目と鼻の先にも関わらず、また全然違う雰囲気を醸し出しているこの寺で、奈良市内から吹き上がる風と、眼下に広がる景色、そして日本の宝物達をゆっくり愛でて下さい。

アクセス基本情報

🗺️

新薬師寺 〜 白毫寺(徒歩)

・最短距離:約900 m
・所要時間:ゆっくり散策しながら歩いて、約20分
・ルートの特徴:高畑の閑静な住宅街を通り、山の辺の道の北側に沿って南下します。

・📍 Googleマップで見る

白毫寺へのアクセス ~ 新薬師寺からの行き方 ~

1 新薬師寺を出たら3つに分かれる道があり、真ん中の道を進むと、『THE奈良』という風景が広がっています。
新薬師寺出口 — 3つの道の真ん中へ
📍 ステップ1 — 3つの道の真ん中を選んで。THE奈良の景色が広がります。
2 そのまま道なりに進むと道しるべがあります。ここを左折。
道しるべ — 左折の案内
📍 ステップ2 — 道しるべが出てきたら左折。
3 道なりにずっとまっすぐ行くと、やがてこのルートの最大の分かれ道(T字路)に差し掛かります。これを右折します。
T字路の分かれ道 — 右折
📍 ステップ3 — T字路の最大の分かれ道。右折します。
4 しばらく進むと、右側に別のお寺が見えて来ます。
右手に現れる別のお寺
📍 ステップ4 — 右手に別のお寺が見えてきます。通過します。
5 まもなく、この道しるべが左手に見えます。
白毫寺への道しるべ
📍 ステップ5 — 道しるべが左手に。
6 案内に沿ってしばらく直進すると、白毫寺の案内が。これが見えたら左折します。
白毫寺の案内看板 — ここを左折
📍 ステップ6 — 白毫寺の案内看板が見えたら左折。
7 後はこの道をまっすぐ上るだけです。
白毫寺へ続く上り坂
📍 ステップ7 — まっすぐ上っていきます。もうすぐです。
8 いよいよ、白毫寺の入口の階段に差しかかります。
白毫寺への入口階段
📍 ステップ8 — 入口の階段です。頑張って上りましょう!
9 階段を上る途中に後ろを振り返ると——わー、こんなに上って来てたんです。
階段の途中から振り返ると広がる眺め
📍 ステップ9 — 振り返ってみてください。こんなに上ってきました!
10 まだ階段は続きます。上に山門が見えています。
山門が見えてくる
📍 ステップ10 — 上に山門が見えています。もう少し!
11 やっと山門に到着しました。
💡

山門内は有料です。拝観料500円 / 1人が必要です。さらに階段を上がった左手にある受付でお支払下さい。

白毫寺の山門
📍 ステップ11 — 山門に到着。ここから有料エリアです。
12 受付横から眼下を見ると、こんな感じです。
受付横から見える奈良市内の眺め
📍 ステップ12 — 受付横から眺める奈良市内の眺望。この景色のために来た甲斐があります。
13 受付(入口)に到着。拝観料を支払って、探検スタート!!
白毫寺の受付入口
📍 ステップ13 — 受付到着!拝観料を支払って、いよいよ探検です。

境内の見どころ — 受付から歩く順に

ここからは、私がいつも歩いている順番で、境内をご案内します。ポイントは、眼下に広がる奈良のまちの眺めを、最後まで取っておくことです。ここに来るまで、出来るだけ眼下の景色を見ないように我慢しておくと、最後に一望した時の感動が増します。笑

行き方のステップ12で少しだけお見せしてしまいましたが、本番は最後です。

受付 — まずは、境内の右奥へ

石段を上りきったら、受付で拝観料(大人500円)を納めます。受付を済ませたら、境内の右奥の方から回っていきます。

白毫寺の受付 — 木造の小さな建物の向こうに、奈良のまちと山並みがのぞく
📍 受付。建物の向こうに、もう奈良のまちが見えていますが……今はまだ我慢です。笑

五色椿と万葉歌碑 — 志貴皇子をしのんで

まずは、五色椿(ごしきつばき)へ。奈良県の天然記念物で、「奈良三名椿」のひとつに数えられる、樹齢約400年といわれる古木です。紅・白・桃色の3色を基本に、変化に富んだ斑入りの花を咲かせます。花の見頃は、3月下旬〜4月中旬です。

そのすぐ近くには、万葉歌碑が立っています。刻まれているのは、志貴皇子が亡くなったときに、笠金村(かさのかなむら)がその死を悼んで詠んだ歌です。

高円の 野辺の秋萩 いたづらに 咲きか散るらむ 見る人なしに(万葉集 巻二)

「高円山の野辺の秋萩は、むなしく咲いては散っているのだろうか。見る人もいないままに」——皇子を失った寂しさを、萩の花に託した歌です。今では秋になると、白毫寺の石段が萩の花で彩られます。

白毫寺の万葉歌碑 — 大きな自然石に万葉集の歌が刻まれ、右に木の案内板が立つ
📍 志貴皇子をしのぶ万葉歌碑。

本堂 — 飾らない、江戸時代のお堂

次に、本堂へ。戦国時代の戦火から復興した、江戸時代の初め頃のお堂で、奈良市の指定文化財です。

白毫寺の本堂 — 瓦屋根に格子戸の簡素なお堂、正面に木の階段と鈴の緒
📍 本堂。飾り気のない、落ち着いた佇まいです。

本堂の前の説明板によると、正面の向拝(こうはい)以外に装飾的な要素がなく、外観・内部とも簡素なお堂です。平面は古代の建築に用いられた単純な形式で、奈良では中世以降も、仏堂を再建する際に古代以来の形式を踏襲する例がよく見られるそうです。このお堂も、その傾向を示す例として貴重なのだとか。

白毫寺本堂の説明板 — 奈良市指定文化財・江戸時代(十七世紀前期)、平面図と周辺地図つき
📍 本堂の説明板。

境内には、かの有名な聖徳太子の二歳像もおられます。

案内に沿って、境内を巡る

本堂を拝んだら、案内に沿って境内を巡ります。石段の脇には「多宝塔跡・不動明王」「五色椿」などの小さな案内板が立っているので、迷うことはありません。

白毫寺の境内 — 苔むした石段と竹の手すり、「多宝塔跡・不動明王」「五色椿」の案内板
📍 案内板に沿って、境内を巡ります。

宝蔵 — 閻魔様と、ご対面

そして、いよいよ宝蔵で、閻魔様とご対面です。

白毫寺の宝蔵 — 「寳藏」の額がかかる白壁のお堂と、手前の石灯籠
📍 宝蔵。この中で、閻魔様が待っておられます。

宝蔵には、国の重要文化財に指定された仏像8体が安置されています。ご本尊の阿弥陀如来坐像、そして閻魔王坐像と、その部下の司命(しみょう)・司録(しろく)、さらに冥界の十王のひとり太山王(たいざんおう)。いわば「地獄の裁判所」の顔ぶれが、ここにそろっているのです。

中に入ると、まずはその迫力に圧倒されます。部下を2人従えて、我々の悪事を見透かしている様。笑 そして、閻魔様から「お前は悪事を働いていないか?」と問い詰められているような勢いを感じます。

もちろん、どう感じるかは人それぞれ千差万別でしょう。けれど、まずはその迫力と、その問いかけのようなものを感じられる方は多いと思います。

そしてその後、ご自分の中にどんな思いが湧き上がってくるか。ぜひ、ご自分の心を見つめる機会にして頂きたいと思います。……心に何かを抱えている人は、宝蔵は少し居心地が悪いかも?笑

宝蔵には、ほかにも地蔵菩薩立像や、叡尊の坐像(興正菩薩坐像)もおられます。西大寺からつながるご縁を、ここでも感じることができます。

📷

宝蔵の中は撮影不可の為、ここではそのご様子をお見せ出来ませんが、皆さん自らの目でお確かめください!

草花と、生き物たちを愛でる

宝蔵を出たら、境内の草花や、そこにやってくる生き物たちを、ゆっくり愛でて下さい。季節ごとに、違った表情を見せてくれます。

白毫寺の境内に咲く、白い手毬のような花 — 奥にお堂の白壁と案内板
📍 境内に咲く白い花(5月初め)。
赤い実をたくさんつけた木 — その向こうに、奈良のまちと山並みがかすむ
📍 赤い実の向こうに、奈良のまちが……もう少しの辛抱です。

最後に、奈良のまちを一望する

境内をひと通り見終えたら、いよいよ最後に、眼下に広がる奈良のまちを、ゆっくりと一望します。

白毫寺境内の木立の小道 — 木々の向こうに、奈良のまちがのぞく
📍 木立の向こうに、眺望が開けてきます。
白毫寺境内の「奈良市街展望図」 — 生駒山・矢田丘陵・唐招提寺・垂仁天皇陵・平城京などの位置を示す案内板
📍 奈良市街展望図。見えている山や名所を教えてくれます。

境内の「奈良市街展望図」には、中央の生駒山をはじめ、矢田丘陵、唐招提寺、垂仁天皇陵、平城京、そして遠く六甲方面まで描かれています。白毫寺は、東が山、西が奈良のまちを見下ろすつくり。西の方角に、奈良盆地が大きく開けているのです。

白毫寺から望む奈良のまち — 緑の木々の向こうに家並みが広がり、遠くに山並み
📍 眼下に広がる奈良のまち。ここまで我慢した甲斐があります!

近鉄奈良駅から新薬師寺、そして白毫寺へと、一歩ずつ上ってきたあなた。ここで眼下の景色を一望された時には、何とも言えない達成感を味わって頂きたいと思います。

境内には少しですがベンチもあるので、疲れた体を休めながら、ゆっくり眺めて下さい。

拝観案内 — 拝観時間・拝観料・バス

拝観時間9:00〜17:00
お休みなし
拝観料大人・大学生500円/中学・高校生300円/小学生200円
(30名以上の団体は、大人・大学生450円・中高生250円・小学生150円)
受付山門をくぐり、さらに石段を上がった左手
写真撮影宝蔵の中は撮影できません
所要時間の目安1時間〜1時間半(宝蔵や最後の眺望でゆっくり過ごす場合。ベンチで休むなら、さらに余裕を)
歩いて新薬師寺から約20分(写真付きの行き方)
バスJR奈良駅・近鉄奈良駅から
・市内循環バス「高畑町」下車、徒歩約20分
・山村町・藤原台行き「高畑住宅」下車、徒歩約15分
・北野・下水間行き「白毫寺」下車、徒歩約10分(本数が少ない)
駐車場なし
住所・電話奈良市白毫寺町392/0742-26-3392

※ 2026年9月、奈良市観光協会と奈良県観光公式サイト「なら旅ネット」で確認しました。所要時間の目安は、奈良在住の私(まさる)の実感です。お出かけ前に最新情報をご確認ください。

おすすめの訪ね方 — 正午〜午後に

白毫寺を訪ねるなら、私のおすすめは正午〜午後です。

まず、道順の上で自然とそうなります。奈良駅界隈から、午前がおすすめの新薬師寺を訪ね、そこからゆっくり道中を楽しみながら歩いて約20分。白毫寺に着くのは、自然と正午〜午後の時間帯になります。

そして、いちばん大きな理由は、眼下に奈良のまちを見下ろして頂く時間帯として、正午〜午後が適しているからです。

冬以外の季節に、奈良駅界隈から新薬師寺、白毫寺と来られた方は、それなりの距離を歩いて、疲れも溜まり、体温も上がっておられることでしょう。そんな方にとって、標高約200メートルの白毫寺は、奈良のまちから吹き上げてくる風が心地よい場所です。また、正午を過ぎて陽がてっぺんから西へ傾いていく頃には、白毫寺の自然が、訪れる人に涼しい日陰と癒しを与えてくれます。

それは、境内の東側が山、西側が奈良のまちを見下ろすつくりになっていることに加え、境内が多くの緑に覆われているからです。境内全体が、涼しい日陰に包まれている感じですね。

所要時間は、宝蔵での閻魔様との対話や、最後の眺望にどれだけ時間をかけるかにもよりますが、1時間〜1時間半は見ておいて下さい。境内には少しですがベンチもあり、疲れた体を休める場所としても最適です。ベンチでひと休みされる場合は、さらに余裕をもって訪れて下さい。

💡

午前は新薬師寺、午後は白毫寺へ。2つのお寺を1日で巡るなら、新薬師寺(No.003)は午前中いっぱいを目安に、白毫寺は正午以降〜午後に訪ねるのがおすすめです。

季節の楽しみ — 秋の萩、春の五色椿

白毫寺は、「関西花の寺二十五カ所」の第18番にも数えられる、花の寺です。奈良市観光協会のサイトなどによると、主な見頃は次のとおりです。

また、毎年1月16日の午前10時からは、「閻魔もうで」の法要が営まれます。

白毫寺周辺について

白毫寺は閑静な住宅街に囲まれ、そして高台に位置しています。周辺にも、眼下に奈良市内を見渡せる場所が多数あります。散策しながら、その景色を楽しんで下さい。

新薬師寺から歩いてきた山の辺の道は、記録に残る日本最古の道として知られる古道です。奈良盆地の東の山すそを縫うように、ここからさらに南へ、三輪山の麓まで続いています。

よくある質問

拝観料はいくらですか?

大人・大学生500円、中学・高校生300円、小学生200円です。山門をくぐり、石段を上がった左手の受付で納めます。

見学にはどれくらいの時間が必要ですか?

宝蔵や最後の眺望でゆっくり過ごすなら、1時間〜1時間半が目安です。ベンチでひと休みするなら、さらに余裕をもって訪れて下さい。

宝蔵の中で写真は撮れますか?

いいえ、宝蔵の中は撮影できません。閻魔様は、ぜひご自身の目で確かめて下さい。

新薬師寺から歩いて行けますか?

はい。山の辺の道を歩いて約20分です。坂道や階段があるので、歩きやすい靴でどうぞ。写真付きの行き方をご覧下さい。

バスや車で行けますか?

バスなら、JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バスに乗り「高畑町」で降りて、歩いて約20分です。ほかの路線は拝観案内をご覧下さい。駐車場はありません。

白毫寺の魅力について

今回のレポート、如何でしたか?近鉄奈良駅〜新薬師寺と歩き、さらに新薬師寺〜白毫寺への上りと階段で疲れた身体を、奈良市内から吹き上がる爽やかな風が癒してくれます。

その風に吹かれ、眼下に広がる景色を目前にそっと目を閉じると、まるで空を飛んでる様な感覚さえ覚えます。

又、静かでひっそりとたたずむこのお寺は、季節によって、また違った表情を見せてくれます。そして、移り行く季節に合わせてここにやってくる生き物たちを愛でるのも、また別の愉しみです。

白毫寺は、ただの景色がいいお寺ではありません。一歩ずつ上ってくる道中も含めて、『THE奈良』という雰囲気を、五感をフル活動して味わえるお寺です。

白毫寺へ、是非足を伸ばしてみて下さい 🌄

是非、道中の『これぞ、奈良』という雰囲気も含め、この白毫寺を楽しんで下さい。

← 旅行ガイド一覧に戻る